●幸福とは何か<2>
平成二十三年十一月
 「幸福とは何か<I>」では、「幸福とはそれを発見できる能力、またそれを感じ、味わい喜べる能力である」という考えにまで到達した。財産、金があっても、幸福でない人はたくさんいる。貧しくても感謝に満ち、幸福な人もたくさんいる。
 「楽しい、幸福であるという」心の状態は主体的に見いだし、選択するものである。
 ある幸福に関する実験をした人がいる。それによると、 あるグループに最近1週間のうちに感謝したことを記録させつづけたところ、そのグループの人々は満足度が高く幸福感が高かった。健康状態も良好であったという結果が出たそうである。あるグループの人に、誰かに親切を行い、それを記録するように指示する。この作業の1ヶ月前と1ヵ月後の幸福感を調査したところ、誰かに親切をし、それを記録した人は幸福感が高かったそうである。
 「感謝しましょう」「ひとに親切にしましょう」といった、古来多くの宗教や道徳などで説かれていることには、深い道理があり、実際に人間に、それを行う当人にも直接的に幸福をもたらしていることが、実証的な方法でも証明されるようになってきている。(ウィキペディア『幸せを科学する』新曜社 参照)
 以上の実験では、感謝を意識的にすることで、感謝する力、実感する力を養うことができ、人に親切にすること、人に感謝されることで、幸福を実感できるのである。宇宙は全一なる生命本佛の表れである。その分霊である人間は、神仏、人の愛に感謝し、仏や神や人を愛し、親切し感謝されることによって幸福感が得られるのだろう。それは、宇宙の英知が生命のシステムをそのようにプログラム設計しているからかもしれない。これは全生命の愛の交換、意識の共有、共感による幸福の達成である。

back