●幸福とは何か<9>
平成二十四年六月二十四日
 幸福とは何か?だいぶ煮詰まってきた気がする。私たちは、幸福を考えるとき、自分とは何かよく知っておくことが大切である。自分とは神仏の分張、分身であり、この意識であると同時に聡ての命の総和、総合人格と一体なる生命体である。所謂ワンネスということを知ることが大切である。これが仏知見、悟りであり、神の認識である。
 ここで幸福とは何か考えると、それは自分個人のものであると同時に、全体生命、宇宙意識の感覚であると云うことになる。個人の幸福があって全体の幸せがあり、全体の幸福を前提として自分の幸福がある。故に世界全体が幸せにならないと、真の個人の幸せも成立しない。世界のどこかで飢えや、戦争に苦しんでいる人がいるから、日本人の鬱病、引き籠もりもなかなか減らないのである。
 これは宇宙意識の構造が、一念三千、十界互具であり、個と個の意識、個と全体の意識が密接につながっていることによる。つまり自分の意識は聡ての意識とコンピューターのネットワークのようにつながっているのである。であるから、自分の苦しみの感情も他の存在の苦の感情とつながり、放っておくと水道の閉め忘れた蛇口から水が不断に漏れるように漏出して自分を責め続ける。ここで大切なのがこの水道の栓をきちんと閉めること、できたら元栓から閉めよう。このオリジナルの通力が釋尊の漏尽通力ということになる。
 しかし、それでは人類の不幸の真の解決にはならず、人類的幸福の獲得は達成されない。
 真の人類の幸福の達成のためには、ここで私たちも神仏の慈悲心を以て人類の不幸感覚、意識に対処せねばならない。それは仏の慈悲心を以て人類の苦しみ、トラウマを癒すことであり、具体的、実践的に、苦の原因をなくすための行動を起こしてゆくことが大切である。
合掌

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